こんにちは。名古屋でレンタルオフィスを営むアイ・フジーです。
起業をお考えの方で、どこで仕事をするべきか考えている人もいらっしゃるかと思います。
この記事では、独立起業する時のオフィスの選び方について、様々な方法の、それぞれメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。
弊社はレンタルオフィスを経営しておりますが、メリットともにデメリットもしっかりと書いていきます。
この記事を読んでいただければ、どのかたちでオフィスを構えるのがあなたに一番しっくりくるのか、ある程度はっきりしてくると思います。
よかったら最後までお付き合いください!
自宅を事務所として利用する場合
まずははじめに挙げるのが「自宅を事務所として利用する場合」です。
自宅を事務所にするメリット
自宅を事務所として利用する場合、最も大きなメリットは費用面でしょう。
現在の自宅の家賃や住宅ローンなどはあると思いますが、新しくかかってくる費用は一切ありません。
起業時に重要なこととして固定費をできるだけ小さくすることが挙げられます。
受注によって変動する変動費が増えるのは、キャッシュフローの問題を除けば売上につながるので問題ありません。
しかし業績に関わらず一定の金額がかかる固定費は、事業の持続力に大きく影響を与えます。
地代家賃は、その固定費の代表的な項目となります。
自宅を事務所にすれば、その地代家賃をゼロにできるのです。
また、もう一つのメリットとして、「通勤時間をゼロにできる」ことも挙げられます。
自分でビジネスを営むとなると、忙しいときには1分1秒だって惜しいものです。
会社員時代の毎日決まった時間の通勤から開放されるのも起業することのメリットと言えますし、大きなメリットのひとつとなります。
自宅を事務所にするデメリット
次に自宅を事務所にすることで考えられるデメリットを見ていきましょう。
まず考えられるのは、家族がいる場合のことですね。
当然自分以外の家族はそこで生活しているので、仕事以外のことをしています。
例えばテレビを見たり、料理をしたり、ゲームをしたりするでしょう。
このような状況は、とにかくビジネスを軌道に乗せることが最優先される起業時においては、集中力を削がれる原因となりうるでしょう。
小さなお子さんがいらっしゃれば尚更です。
また、仕事とプライベートの切り替えが一切なくなり、どうしてもダラダラとしてしまったり、逆に仕事ばかりになってしまったりしかねません。
ある程度切り替えて気持ちをリフレッシュさせていかないと、精神的に行き詰まってしまう可能性もあります。
場所の移動が少なく、生活と仕事の環境が同じ場所となることで、生活にメリハリがなくなってしまうこともデメリットの一つと言えるでしょう。
自宅を事務所にする場合に必要なもの
自宅を事務所にする場合に必要なものは特にありません。
もちろん個人事業主であれば「開業届」、法人であれば登記が必要ですが、それ以外は特に何も手続き不要です。
あとは仕事に必要なパソコンやOA機器を揃えるだけですね。
次は、友人・知人の事務所を間借りする場合を見ていきましょう。
友人・知人の事務所を間借りする場合
起業時において、個人的にはかなりおすすめの方法となります。
もしあなたに先輩事業主さんがいて、オフィスをシェアしようといってくれる状況に限って、ではありますが。
もちろんデメリットもありますが、総じてメリットが大きいように思います。
事務所を間借りするメリット
先に事業を興している先輩がいらっしゃるとすれば、可能であれば「事務所シェアさせてくださいませんか」とお願いしてみるのも良いかもしれません。
やはりメリットはなかなか大きいと感じます。
まず、初期費用が不要であることがほとんどでしょう。
自宅以外のどんな形態のオフィスにせよ、入会金や保証金、敷金礼金などの名目で少なくない金額を請求されてしまいます。
これがおそらくゼロで済むことになります。
月額などで支払う「オフィスの利用料」としては相場より安く済むでしょうし、経済面では非常にありがたい話となります。
また、最初からOA機器やネット環境などが全て揃っていることも大きなメリットでしょう。
もちろん電話番号だけは新たに取得する必要があるかもしれませんが、業種によっては、すべて携帯電話でも事足りてしまいますからね。
さらに、最初から孤独を感じずに、ある意味同僚のような人たちに囲まれて仕事ができるものメリットと言えるでしょう。
出勤や仕事内容は自分の裁量で全て決められるのに、同僚のような立場の人が周囲にいるのは、起業時の孤独感を乗り越えるのには大きなメリットとなります。
事務所を間借りするデメリット
次にデメリットを見ていきましょう。
それほどデメリットは無いと感じますが、何と言っても実現の可能性が低いということですね。
まず、仲の良い先輩事業主(経営者)が必要です。この時点で殆どの人は実現不可能となりますよね。
運良くそういった人がいたとすると、どうしても「間借り」している立場となりますので、気を使う側の人間になります。
様々なしがらみから開放されるのが独立起業の良いところでもありますので、若干魅力を損なってしまう可能性は否定できません。
また、あくまで「間借り」ですので、もともといる社員さんなどからの違和感のようなものは考えられます。
いままでいなかった人が、社長の友人だからと席を与えられ、自由に仕事をしているわけです。
彼らからしてみれば仲間にはなり得ない存在ですので、会社員時代の同僚の用に接するのは難しいでしょう。
ときには間借り先の社員全員で忘年会などに出かけてしまうこともあるでしょう。
そういった時に誘われない可能性もあり、それなりの孤独感を味わう可能性はゼロではありません。
さらに、「オフィスを選ぶ」という楽しみを味わうことができませんね。リッチやビルの築年数などもすべて間借り先の企業に依存しますからね。
その楽しみは、ビジネスを拡大して、晴れて間借りを卒業する時までとっておきましょう。
事務所を間借りする場合に必要なもの
事務所を間借りする際にも、必要なものは特にありません。
事業所として登録するのであれば住所を記入する必要がありますが、「間借り」という形態上、登記や登録は自宅にしておいたほうが無難でしょう。
OA機器などもすべて借りられると思うので、本当にパソコン一つで済むこともありますよね。
ハードルは高いものの、起業時のオフィス選びとしてはかなりオススメとなります。
次は、住居用アパートやマンションを新しく借りて事務所として利用する場合を見ていきましょう。
住居用アパート・マンションを利用する場合
住居用アパートやマンションをオフィスとして利用する場合は、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
住居用アパート・マンションのメリット
住居用アパートやマンションを利用するメリットとして最初に挙がるのが、「賃貸オフィスより家賃や保証金が安い」ということでしょう。
起業当初、多くの場合特に大きな事務所は不要です。1人で入居して仕事ができれば十分でしょう。
そうなった時にワンルームマンションを借りることができれば、通常の賃貸オフィスより固定費を下げることが可能となるでしょう。
また、住居用というだけあってそこそこ内装がキレイであることが多く、共用部分の掃除なども管理会社がやってくれるので、手間もかかりません。
住居用アパート・マンションのデメリット
住居用のアパートやマンションをオフィス資料する場合のデメリットとしてはどんなものがあるのでしょうか。
まず大前提として、「事務所利用NG」の物件が多いということが挙げられます。
ここは管理会社や仲介業者に確認してみてください。仲介会社に最初から事務所利用する旨を伝えたほうがスムーズですよね。
そして、これはレンタルオフィスやコワーキングスペースとの比較になってしまいますが、フロント業務をしてくれる人がいないのはデメリットと言えるでしょう。
もちろん常時事務所にいるスタッフがいればいいのですが、起業時にはなかなかそういうわけにも行かないでしょうし。
また、あくまで住居用ですから、来客があった時の印象が良くないのは事実でしょう。やはりオフィスを借りるということはそういった信用にもつながりますね。
住居用アパート・マンションを事務所として利用する場合に必要なもの
住居用アパート・マンションを事務所として利用する場合には、以下のものが必要となります。
- 入居契約にかかる書類一式
- 敷金・礼金など入居初期費用
- 家具一式
- OA機器一式
- インターネット契約
- 電話契約(必要であれば)
- 光熱費
- 家賃
などなど、いままで紹介した自宅を事務所にする場合と、間借りする場合と比較すると用意するものの種類が格段に増えてしまいますので、注意が必要です。
次に、厳密には「オフィス」ではないかもしれませんが、バーチャルオフィスを見ていきましょう。
バーチャルオフィスを利用する場合
手軽に格安で登記ができる「バーチャルオフィス」の利用も検討されているかもしれません。
ただし、メリットもデメリットもあるので、利用には気をつけたほうが良いかもしれません。
バーチャルオフィスのメリット
バーチャルオフィスのメリットは、何と言っても圧倒的な低料金で、住所が持てることでしょう。
月額3,000円程度で住所を利用することができます。法人の登記も可能ですから、住所だけを見た時に会社の社会的な信用が得られる可能性があります。
また、自宅で業務をする場合、自宅住所を名刺に記載することに抵抗がある人もいると思います。
特に女性であれば尚更ですよね。
こういった場合にも、バーチャルオフィスを利用するメリットとなります。
バーチャルオフィスのデメリット
ではデメリットはどんなものがあるでしょうか。
代表的なものとして、銀行の法人口座がつくりにくいことが挙げられます。
ネットで検索するとそういった記事がかなり見られます。
個人事業主であれば、今まで使っていた口座を使えば良いので問題ないのですが、やはり法人であれば法人口座を作るのが当たり前となっています。
法人なのに、振込先の名義が個人というのでは信頼性に問題が生じます。
バーチャルオフィスには、この法人口座問題がつきまとってしまうのが現実です。
その他にはデメリットは見受けられませんので、法人でない場合で、実際のオフィスはいらないけど、所在地を都市部にしたいなどの場合は良いかもしれません。
バーチャルオフィスを利用する場合に必要なもの
一般的なバーチャルオフィス開設に必要なものは以下となります。
- 身分証明書(運転免許証など)
- 登記簿謄本(法人の場合)
- 公共料金の請求書など
- 初期費用
- 月額料金
- 郵便物の転送料金
手軽に住所を取得できることが魅力ですが、悪用も考えられるので審査はしっかりしているところが多いようです。
次はコワーキングスペースの場合を見ていきます。
コワーキングスペースを利用する
コワーキングスペースとは、ひとつの開放された空間で、好きな場所に座って仕事ができる新しい形のオフィスです。
多くの場合コミュニティを形成し、ビジネス面だけでなく、「働き方そのもの」を提案するようなスペースが多くなります。
コワーキングスペースのメリット
コワーキングスペースをオフィスとして利用するメリットを見ていきましょう。
まずひとつ目に挙げられるのが、多くの場合受付スタッフがいて来客対応や郵便の受取などをしてくれることです。
起業当初は1人ですべての仕事をしなければいけません。出かけての打ち合わせも頻繁でしょう。
そんな時に荷物を受け取って預かってくれているフロントスタッフさんは非常にありがたい存在となります。
また、インターネット回線が無料で使えます。
さらに同じような境遇の事業主がたくさんいることも大きな魅力と言えるでしょう。
入居者同士のコミュニケーションからビジネスが生まれることも少なくありません。
登記ができるスペースも多く、個人用ブースや個室を備えたところもあり、レンタルオフィスとの差が少なくなってきている印象を受けます。
少人数の起業であれば、法人で入会してフリースペースをスタッフみんなで利用することも考えられます。
その場合には費用面や共用部の清掃の手間など、様々なメリットが受けられるでしょう。
コワーキングスペースのデメリット
コワーキングスペースのデメリットは以下となります。
第一に、殆どの場合で区切られていないので、プライバシーは無いに等しい空間となります。
パソコンの画面を不特定多数の人に見られてしまうことも考えられるでしょう。
また、全体が共用スペースとなるので、荷物を常に置いておくなどといった使い方はできないところが多くなります。
周囲の打ち合わせの声が気になることもあるでしょう。逆に自分の打ち合わせや電話の内容もすべて聞かれてしまいます。
このように、プライバシーや秘匿性の欠如は、コワーキングスペースの大きなデメリットとなってしまいます。
会議室のないコワーキングスペースの場合、来客時の打ち合わせがしにくいというところも考慮する必要があります。
コワーキングスペースを利用する場合に必要なもの
コワーキングスペースの利用には、多くの場合以下が必要となります。
- 身分証明書
- 法人であれば登記簿謄本
- 公共料金の請求書
- 初期費用
- 月額料金
※ビジター利用でなく入会の場合
シェアオフィスに入居する
シェアオフィスはコワーキングスペースと非常に近い性格を持っています。
ただし、よりビジネス寄りのスペースであり、会議室やOA機器の設置が当然となっています。
シェアオフィスには色々な形態がありますが、イメージとしてはビジネス特化版のコワーキングスペースといった認識で問題ないと思います。
レンタルオフィスやコワーキングスペースとの差はかなり曖昧で、どちらの特徴も併せ持つオフィスも少なくありません。
シェアオフィスのメリット
シェアオフィスを利用するメリットはコワーキングスペースと同様になります。
それは
- 受付スタッフがいて来客対応や郵便の受取などをしてくれる
- インターネット回線が無料で使える
- 同じような境遇の事業主がたくさんいる
- 賃貸オフィスより料金が安い
- 共用部の清掃などを気にしなくて良い
- 多くの場合会議室が備わっていて来客時の商談も安心
- 登記も可能
といったところですね。
また、コワーキングスペースより多少プライバシーに配慮したつくりになっていることが多くなっています。
シェアオフィスのデメリット
シェアオフィスのデメリットもまた、コワーキングスペースのそれと似ています。
- プライバシーは無いに等しい
- 荷物を常に置いておくなどといった使い方はできない
- 周囲の打ち合わせの声が気になることもある
シェアオフィスを利用する場合に必要なもの
- 身分証明書
- 法人であれば登記簿謄本
- 公共料金の請求書
- 初期費用
- 月額料金
レンタルオフィスに入居する
次は弊社も運営しているレンタルオフィスに焦点を当てていきたいと思います。
レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィスは、コワーキングスペースやシェアオフィスと違い、フロアを完全に区切って、セキュリティ面に考慮しています。
ほぼ通常の賃貸オフィスと変わらない使い方ができるようになっているのにも関わらず、料金がかなり安く済むのが魅力です。
セキュリティ面は鍵付きの個室となるので、かなり安心と言えるでしょう。
さらにフロントスタッフが常駐しているオフィスも多く、起業時には嬉しい来客対応や荷物の受取をしてくれます。
共用部分に打ち合わせスペースや会議室を備えていて、商談も問題ありません。
またフリードリンク(給茶機など)を設置しているところも多いのも魅力です。
共用のインターネット回線を持っているところもありますので、セキュリティ面を気にしなければ、煩わしい回線契約も不要です。
レンタルオフィスのデメリット
レンタルオフィスのデメリットはどんなものがあるのでしょうか。
起業時にだということを考えるとほとんどありませんが、しっかりと説明していきます。
まず、オフィス内を自由に改装することができません。基本的には与えられたままの内装を維持して使うことになります。
もちろん部屋内の家具の配置等は自由に変更することができます。
他には、弊社のオフィスは違いますが、オフィスによっては個別空調でない場合があるようです。
こうなると仮に自分が暑かったとしても、自由に空調の温度を調節できないことになります。
対外的な信用度で言えば、やはり通常の賃貸オフィス契約をした場合と比べると、若干落ちるかもしれませんが、これはほとんど気にする必要がないでしょう。
共用のインターネット回線がない場合もあります。この場合は個別に契約を結ぶ必要があります。
レンタルオフィスを利用する場合に必要なもの
一般的なレンタルオフィス契約に必要なものは以下となります。
- 保証金
- 保証人
- 印鑑証明
- 住民票や身分証明書
- 登記簿謄本
- 月額料金
- その他オプションサービス利用料
賃貸オフィス・貸事務所に入居する
最後に通常の賃貸オフィス入居についても解説します。
所謂通常のオフィスビルとなります。
起業時から入居することは考えづらいところがありますが、最初から複数の社員で始める場合や、既に仕事が決まっていて資金面で余裕がある場合などは候補となってきますね。
賃貸オフィス・貸事務所のメリット
賃貸オフィスでは、内装を自由に改装できることがメリットとなるでしょう。
IT系の企業などではエントランスを非常にオシャレにしているところが多く、社員のモチベーション維持にも一役買ってくれそうです。
もちろんセキュリティ面でも万全です。
多くのオフィスビルではセコムやアルソックなどの警備会社と提携していますので、個人情報などの扱いも十分に可能になります。
また、当然賃料は上がりますが、大きな面積を専有できることも魅力のひとつです。
例えばレンタルオフィスなどで50人のオフィスというのは現実的ではありませんが、賃貸オフィスなら当然可能です。
こういった事業規模に対応できるのも、賃貸オフィスのメリットとなります。
賃貸オフィス・貸事務所のデメリット
賃貸オフィスのデメリットは、やはり敷金が高いことが挙げられます。
通常賃料の半年から1年分となり、それなりの規模のオフィスだとそれだけで非常に大きな金額が動くことになります。
これは起業時に支払うことはかなりのリスクとなりますので、やはりおすすめできません。
もちろん受付スタッフサービスなどはありませんし、ネット回線や光熱費も自社で保つ必要があります。
現実的に考えれば、独立起業時には通常の賃貸オフィスは賢明な選択ではないように思います。
賃貸オフィス・貸事務所を利用する場合に必要なもの
一般的な賃貸オフィスの契約に必要なものは以下となります。
- 賃料
- 共益費
- 敷金(保証金)
- 登記簿謄本
- 会社概要・ホームページ
- 決算書
- 代表者身分証明書
- 連帯保証人の身分証明書と収入証明
このようにかなりハードルが高くなります。
最後に
この記事では、起業独立時にどんなオフィスを選べばいいのか、その営業形態から解説してみました。
やはり弊社の運営するレンタルオフィスやシェアオフィスなどがおすすめで、賃貸オフィスは事業が拡大した時に初めて検討するのが良いのではないでしょうか。
逆に自宅や住居用マンション、曲がりなどはそれなりにデメリットもありますので、安易に決めるのではなく、広い視野で検討されることをおすすめいたします。